読谷村【やちむんの里】でおすすめ工房2選!沖縄コンシェルジュ

1. 沖縄中部読谷村の「やちむんの里」が誕生した理由
2. 自然の中にとけこむ「やちむんの里」でお気に入りの陶器を探そう!
3. 「やちむんの里」でこれは見て!迫力いっぱいの登り窯は圧巻!
4. 北窯売店はおしゃれな陶器がたくさん!
5. ギャラリー「まらなた」はたくさんの陶芸家の作品が一堂に集結!
6. お気に入りの陶器探しに疲れたらカフェで一休み
ついついリゾートに目が向きがちですが、それだけじゃないのが沖縄。
すてきな工芸品にたくさん出会える場所でもあります。
とくに「やちむん」は自分用にまたはお土産用にと、人気の工芸品。
「やちむん」とは地元の言葉で「焼物」の意味で、陶器や陶芸全体を表します。
那覇市の壺屋や、読谷村でだけ作られていると思われがちな「やちむん」。
実は沖縄各地が産地です。
そんな「やちむん」は、力強さと土の温かみを感じさせる素朴な風合いが魅力。
うちなーんちゅの心を表しているような、なんとも温かみのある工芸品です。
読谷村の「やちむんの里」は、自分だけのスペシャルな器を探している人に、ぜひとも行ってほしい場所。
緑に囲まれ、ゆったりとした時間が流れる「やちむんの里」を、まったり、のんびり紹介していきます。
1. 沖縄中部読谷村の「やちむんの里」が誕生した理由
陶器や織物、ガラスなど伝統工芸の工房が多い読谷村。
村内には美しい海と豊かな森、そして「ざわわ、ざわわ」とサトウキビ畑が広がる、自然豊かなところです。
一方、那覇で一番にぎわう国際通りからも近い壺屋通り。
1970年代は、焼物の製造が今よりもさらに盛んでした。
ですが都市化が進むにつれて、焼物を焼く煙の煙害が問題に。
そこで何人かの工人は工房の移転を決意。
住んでいる人が少なく自然豊かな読谷村で、新たに制作活動をスタートさせました。
それから後に続くように、多くの陶芸家がこの地に工房を開くように。
壺屋を離れた工人は、「住民に迷惑をかけられない」、「やちむんを公害の原因にしてはいけない」と思ったのではないでしょうか。
まさに郷土愛、やちむん愛が生んだのが「やちむんの里」。
2. 自然の中にとけこむ「やちむんの里」でお気に入りの陶器を探そう!
読谷村にはなんと60以上もの陶器工房が。
「やちむんの里」のかなり広―い敷地内には、そのうち19工房が点在しています。
器好きが愛すべき村ですね。
ガラスのアトリエにも興味がわきます。
那覇市内から58号線を車で北上し40分で、読谷村の「やちむんの里」に到着。
県内随一のドライブコースですので、あっという間ですよ。
実は10年ほど前に、「やちむんの里」を何度か訪れたことがある人に、話を聞いたことがありました。
器が大好きな彼女から、「昔ながらの焼物がいっぱいあったよ!」と熱い教えをいただいた私。
「お土産ならいいけど、我が家のインテリアにはちょっと合わないかな」と、せっかく教えていただいた「やちむんの里」でしたが、その時は行かずじまいに。
ですが、ますます食器類に興味がわいてきた今日この頃。
「やちむんの里」について、インスタなどで久しぶりに検索してみました。
すると・・・・・・。
私好みのかわいい食器がいっぱい!
「ノーマークだった・・・やちむんの里。見くびリ過ぎていた・・・。」
「今からでも遅くはない。やちむんの里に絶対行かねば!」となったわけです。
そんなこんなでやってきたのが「やちむんの里」。
わくわくしながらさっそく敷地内へ。
読谷村はリゾートのイメージがあるので、もっと商業施設的な場所を想像していた私。
ですが、全く違っていました。
「やちむんの里」は自然の中にぽつぽつと建物がある感じ。
ふつーうの村にお邪魔しているような、なんとものんびりした時間が流れています。
「やちむんの里」で時間を過ごすと、「今って、本当に令和だっけ?」という、タイムスリップしたような不思議な気分に。
ゆっくり、地元の言葉にすると、「よんなー」な時間が流れている「やちむんの里」。
自然と人間が共生する風景が、陶芸家のインスピレーションを、さらに豊かなものにしているのでしょう。
すてきな出会いの予感!
ゆっくり「やちむんの里」の敷地内を巡り、お気に入りを探しに行くぞ!
運命の一品に出会えるかな?
植木鉢もやちむん!
使われているのはどうやら食器もありますね。
こういうさり気ない使い方が素敵!
見習いたい!
3. 「やちむんの里」でこれは見て!迫力いっぱいの登り窯は圧巻!
ぶらぶらと散策中に見つけたのが、坂に沿って斜めに立っている建物。
斜め具合が心配になります。
大丈夫なのかしら?
「やちむんの里」の中でも、かなり目立つ建物が、この大きな登り窯。
オレンジの瓦がこれまた沖縄らしいです。
こちらは読谷山窯。
一番最初にできた登り窯です。
つまり「やちむんの里」の父親的な存在!
まだまだ現役です。
父ちゃんがんばって!
「やちむんの里」の登り窯は斜面に建てられています。
斜めなのはもちろん理由が。
窯の一番下の焚口で薪を燃やすと、窯上部まで熱が昇っていき、陶器が焼かれる仕組みなのです。
階段状に多くのの焼成室が連なり、扉から焼物を出し入れします。
窯焚きは非常に大変な作業です。
「やちむんの里」では、いくつかの工房が協力しながら行います。
窯焚きが始まると、なんと3日3晩も絶えず火を焚き続けることに。
本当に過酷な作業です。
年1回ならお祭り気分でなんとかがんばれそう。
けれども窯焚きは年4,5回も。
「職人さんはすごい」の一言です。
「やちむんの里」では、窯焚きのないときは登り窯の見学可能。
普段はなかなか見られないもの。
ぜひじっくりと見ていただきたいです!
こちらは読谷山焼共同直売所です。
伝統的なデザインの器がたくさん!
力強くて素朴な味わいの器がお好きなら、覗いてみてください。
「やちむんの里」みやげに、父と母にほっこりするペアの湯飲み探してみよう!
4. 北窯売店はおしゃれな陶器たくさん!
ちょうどよさそうな大きさの小鉢がいっぱい。
こういう大きさが意外と便利です。
多くの工房が点在している「やちむんの里」。
敷地内にはその他にも、共同の売店やギャラリーが。
共同売店やギャラリーは、一度に複数の作家の作品が見られるのががうれしいですね。
「やちむんの里」の工房は、陶芸家たちの神聖な仕事の場。
見学可能な所でないと立ち入りできません。
見学可能な所でも、みなさん真剣勝負です。
お仕事の邪魔にならないように、静かーに見せていただきましょう。
その点、共同売店やギャラリーは友達とおしゃべりしながら、気楽に立ち寄ることができますよ。
それぞれに個性がありますから、本当は全部行っていただきたい売店やギャラリー。
ですが、厳選して「やちむんの里」のおすすめの売店とギャラリーを紹介していきます。
まずは「北窯売店」です。
「やちむんの里」の中でも、モダンでポップな作品も多く扱っている共同売店。
北窯は松田共司さん、松田米司さん、宮城正亨さん、米原正守さんら4人の親方が作った、「やちむんの里」の中でも比較的新しい登り窯です。
新しいといっても1992年完成ですから、もう30年近い歴史はあります。
「北窯売店」は4人の親方と師事を受けている若手工人の作品を購入できます。
伝統的な素朴な味わいの器も、もちろん扱っていますが、現代的なインテリアにもなじむ、モダンなものもいっぱい。
黄色い鉢がかなり気になります。
フルーツを入れたら、かわいくなりそう。
下の段のポットは何を入れたらいいのかな?
使いこなせば料理上手に見えるかも!
深海の色のような美しいブルーのお皿。
ここには、いろいろな色合いのブルーがあります。
このお皿にはイタリアンかな。
サラダやパスタを盛りつけたいな。
5. ギャラリー「まらなた」はたくさんの陶芸家の作品が一堂に集結!
次はギャラリー「まらなた」です。
店名はギリシャ語で「いらっしゃいませ」を表すそうです。
名前からも歓迎が伝わりますね。
気後れすることなく店内へ。
ギャラリーの入り口では、シーサーも「いらっしゃいませ!」。
おじゃましますね。
ユニークなシーサー軍団!
この遊び心がたまりません。
後ろの列のシーサーたちは、お尻の位置が高い!
前列のシーサーは腕立て伏せ風?
「まらなた」に並ぶのは、共同売店とは違い、「やちむんの里」で作られたものだけではありません。
県内の約60の工房の作品を見ることができます。
もちろん購入も可能です。
こちらのギャラリーにもモダンなものが多く、今までのやちむんのイメージが変わるような出会いがあるかもしれません。
こちらは、やちむんによく使われるペルシャブルーと呼ばれる色。
ペルシャって、今のイランのことですよね。
なぜ沖縄で?
シルクロードを伝わってきたのかな?
勝手にロマンが広がります。
夏の食卓で使いたい。麺つゆを入れて、そうめんを食べたい!
沖縄の県花「でいご」や魚を描いた酒器。
これに入れるのは泡盛ですね。
そして絶対に古酒です!
さらに味わい深くなるに決まっています。
これも父に買ってあげたいな。
いや自分用かな。
沖縄のT字路でよく見かける石敢當も。
魔よけの効果があるとか。
玄関付近に置いてあるお宅もありますよね。
こうやって普通に売っているんですね。
沖縄の魔物じゃなくても、うちの近所の魔物からも守ってくれるのかな。
12月には毎年「やちむんの里」内で読谷村焼陶器市が開催されます。
20~30%オフで食器などを買えるチャンス。
次の旅行で日程が合えば、ぜひ陶器市を参戦しにまた来たいな。
6. 陶器探しに疲れたらカフェで一休み
意外と広い「やちむんの里」。
全部回ったら、けっこうな距離を歩くことに。
休憩なし回るのは、さすがにちょっとつらいかも。
でも安心。
「やちむんの里」には、カフェや食事のできる場所もありますよ。
歩き回って、「ちょっと疲れたな」と思ったら、ちょっと一休みもいいですよね。
カフェも旅行の楽しみですから。
欲しい器がたくさん見つかったので、休憩しながらもう一回どれを買うか考えようっと。
先ほど紹介したギャラリー「まらなた」にも、カフェが併設されています。
ぜひ食べていただきたいのは、マンゴーがゴロゴロ入っている、ぜいたくな「マンゴーぜんざい」。
マンゴーとぜんざいという不思議な取り合わせです。
これって大丈夫なんでしょうか。
・・・さすがチャンプルーの国。
食べてみれば、やさしい甘さがやみつきになる一品です。
「やちむんの里」には、そのほかに沖縄料理を楽しめるカフェなどもありますよ。
いずれの店でも、やちむんが器として、これまたいい感じに使われています。
素人には思いつかないような素敵な使い方もあって、家で使うときのヒントになりそうです。